2025.05.28
移行支援
高次脳機能障害の方に向いている仕事とは?/配慮ポイントや求めるべき支援を徹底解説!
■はじめに
高次脳機能障害は、外見からはわかりにくい障害でありながら、記憶力や注意力、感情コントロールなどに影響が出るため、仕事や人間関係で悩みを抱えやすい特性があります。
「どんな仕事なら無理なく続けられるのだろう」
「職場にどんな配慮を求めればいいのか分からない」
そんな不安を感じている方や、支援する立場の方に向けて、この記事では高次脳機能障害の方に向いている仕事の特徴や職場に求めるべき配慮ポイントを詳しく解説します。
■高次脳機能障害とは?
高次脳機能障害は、脳卒中、脳外傷、低酸素脳症などの後遺症として起こることが多く、以下のような特徴があります。
■代表的な特性
- 記憶障害:人や作業手順を忘れやすい
- 注意障害:集中力が続かない、気が散りやすい
- 遂行機能障害:段取りを組んで物事を進めることが苦手
- 社会的行動障害:感情のコントロールが難しい、失言・失礼な言動が出やすい
これらは誰にでも起こりうるミスや性格の問題と誤解されやすく、周囲の理解や適切な配慮が重要になります。
■高次脳機能障害の方に向いている仕事とは?
- 作業内容がシンプルで繰り返しが多い仕事
- 軽作業(袋詰め、シール貼り、箱詰めなど)
- 工場ライン作業
- 清掃業務
同じ作業を繰り返す仕事は、手順が固定化されるため安心して取り組みやすい傾向があります。
- マニュアルや手順書がある仕事
- 事務補助(データ入力、書類整理など)
- 図書館業務(返却本の整理、書架整頓など)
目に見えるマニュアルや手順が用意されている仕事は、記憶障害や段取りの苦手さをカバーできます。
- 人との関わりが少なく、集中しやすい環境の仕事
- 在宅ワーク(ライター、デザイナー、事務作業など)
- 倉庫内作業
対人関係でのトラブルや刺激を減らすことで、安心して仕事に取り組めます。
■職場に求めるべき配慮ポイント
- 作業指示は「具体的」に「見える化」
- 口頭だけでなく、メモや手順書で伝えてもらう
- 一度に多くの指示を出さず、優先順位を明確にしてもらう
- ミスや抜けを責めない職場風土
- 失敗を「責める」のではなく、「気づき・改善」を一緒に考えてくれる環境
- 小さな成功や工夫を一緒に喜べる職場文化
- 休憩や環境調整の柔軟な対応
- 集中力や感情コントロールが難しい時に、適宜休憩を取れる
- 静かな作業スペースや、周囲の刺激を減らす工夫
- 振り返りや確認の時間を設ける
- 業務終了後に「今日どうだったか」を一緒に振り返る
- ミスや困りごとを共有できる時間を設定する
■就労支援機関に求めるべきこと
- 職場への配慮提案・調整サポート
- ご本人だけでは伝えにくい特性や配慮点を、職場に伝えてもらう
- 定期的な職場訪問や面談を通じて、働きやすさを確認・調整
- 「できること」「できないこと」の整理支援
- ご本人の強み・課題を整理し、自己理解を深めるサポート
- 面接や職場見学への同行支援
- 定着支援(就職後のフォロー)
- 就職して終わりではなく、長く働き続けるための継続的なフォロー
- 職場・本人双方からの相談受付
■まとめ|高次脳機能障害と向き合いながら働くために
高次脳機能障害があっても、
- 自分に合った仕事選び
- 職場とのコミュニケーション
- 支援機関の活用
これらを大切にすることで、無理なく自分らしく働き続けることができます。
「自分には無理」とあきらめず、少しずつ働き方を工夫していきましょう。
支援機関や就労移行支援事業所は、あなたと職場の架け橋となり、共に伴走しながらサポートしていきます。
気になる方は、ぜひお近くの支援機関に相談してみてください。