移行支援
B型事業所を利用するメリットとは?|福祉的就労で自分らしく働く方法
「働きたい気持ちはあるけれど、体調や人間関係が不安で踏み出せない」
「一度社会に出たけれど、うまくいかずに自信をなくしてしまった」
「毎日の生活リズムを整えながら、無理なくできることから始めたい」
そんなあなたにこそ知ってほしいのが、就労継続支援B型事業所の存在です。
この記事では、B型事業所の基本情報から、実際に利用するメリット、自分らしく働く方法までを詳しく解説します。
◆就労継続支援B型とは?
就労継続支援B型(以下、B型)は、障害や病気などにより一般企業での雇用が困難な方に、福祉的な就労の場を提供する福祉サービスです。
最大の特徴は、雇用契約を結ばずに利用できること。
つまり、会社員のように毎日同じ時間に出勤する必要はなく、利用者の体調や生活状況に応じて、通所日数や作業時間を柔軟に調整することができます。
B型は、「働きたいけれど、今はフルタイムや責任のある仕事は難しい」という方が、自分のペースで“働く”ことを体験し、生活の安定や自信の回復につなげることができる場です。
◆B型事業所を利用する5つのメリット
1.自分のペースで無理なく働ける
B型事業所では、週1回・1時間からの利用も可能です。
「今日は少し体調が悪いので午前中だけ」「週3日くらいから始めたい」など、個別に相談してスケジュールを組むことができます。
体力に不安がある方、精神的に不安定な時期を過ごしている方にも最適です。
2.作業内容が豊富で自分に合ったものを選べる
B型事業所での作業は多岐にわたります。
例:
- 軽作業(シール貼り、封入作業、袋詰めなど)
- ハンドメイド作品の制作
- 農作業や清掃
- パソコンを使った入力やチラシ作成
- 商品梱包やネットショップ運営補助
興味のある作業や、できそうなことから始めることができます。苦手なことを無理にやる必要はなく、スタッフと相談しながら安心してスタートできます。
3.安心できる環境とスタッフのサポート
B型事業所は、福祉の専門知識をもったスタッフが常駐しており、作業のサポートやメンタル面でのケアを行っています。
「作業の手順がわからない」「不安な気持ちがある」そんなときも、寄り添った対応をしてもらえる安心感があります。
他の利用者とのコミュニケーションも、無理に取る必要はありません。人付き合いが苦手な方でも、距離感を大切にしながら活動できます。
4.生活リズムを整えることができる
日中に活動する場があることで、生活リズムが自然と整ってきます。
「昼夜逆転が直った」「毎朝起きる習慣がついた」という声も多く、精神的な安定にもつながります。
また、通所が習慣化すると、自信や達成感が芽生え、次のステップ(A型や一般就労)への意欲にもつながります。
5.工賃がもらえる=“働く”実感が得られる
B型では、作業に応じて**工賃(報酬)**が支給されます。
金額は事業所によって異なりますが、「自分の力でお金を得る」という経験は、自己肯定感や社会的な自立への大きな一歩になります。
◆B型から「自分らしい働き方」へつなげるには?
B型事業所のゴールは「必ず一般就労に進むこと」ではありません。
利用者一人ひとりにとっての「その人らしい生活」や「自分にとっての働く形」を見つけていくことが大切です。
たとえば…
- 一般就労を目指して、まずは体力やスキルをB型で整える
- 日中活動として長くB型を利用し、生活の安定を図る
- 社会との接点を持つことを目的に、ゆるやかに通う
自分にとって何が必要か、どんな未来を描きたいかを、スタッフと一緒に考えながら過ごしていけるのがB型の大きな魅力です。
◆こんな方におすすめです
- うつ病や双極性障害などで復職に不安がある方
- 発達障害で人間関係や作業ペースに課題がある方
- 一般企業を退職後、自信を取り戻したいと考えている方
- 生活の中に「役割」や「やりがい」を見つけたい方
- 外出や日中活動の機会を増やしたい方
◆まとめ:B型事業所は「自分らしく働く」ための選択肢
就労継続支援B型は、誰かと比べることなく、「自分のタイミング」「自分の方法」で“働く”ことができる場所です。
福祉的就労という言葉には、「配慮」や「理解」が詰まっています。
就労に不安がある方こそ、安心できる環境の中で、小さな成功体験を積み重ね、自分らしく前に進んでいくことが大切です。
「ちょっと話を聞いてみたい」「まずは見学から…」そんな気持ちだけでも大歓迎です。
ぜひ一度、地域のB型事業所に足を運んでみてください。