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【本人公表】栗原類さんとADHD|モデル・俳優として活躍しながら伝える“生きづらさ”との向き合い方
はじめに|発達障害は「見えにくい困難」
発達障害のひとつである**ADHD(注意欠如・多動症)**は、集中力の持続の難しさ、衝動的な行動、忘れっぽさなどの特徴がある神経発達症です。
周囲には気づかれにくく、「なぜできないの?」と誤解されることも多く、本人にとっては生きづらさを感じやすい特性です。
そんなADHDを抱えながら、モデル・俳優として活躍している栗原類さんは、自身の特性を公表し、多くの人に勇気とヒントを与えてくれています。
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■栗原類さんがADHDを公表した理由
栗原さんがADHDを公表したのは、2015年に出版した著書
『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』でのこと。
この本の中で、自身が10歳のときにADHDと診断されたことを明かし、「普通になろうと無理をした時期」「劣等感に苦しんだ過去」「周囲とのコミュニケーションの難しさ」など、当事者でなければ語れないエピソードを率直に綴っています。
「自分の特性を隠すのではなく、理解してもらうことが生きやすさにつながった」
― 栗原類さん(著書より)
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■ADHDの特性がもたらす「困りごと」と「可能性」
栗原さんは、自身のADHD特性について、以下のような特徴を語っています。
● 注意がそれやすく、ミスをしやすい
授業や会話に集中できず、違うことを考えてしまう。話を聞いていないと思われ、人間関係がぎくしゃくすることもあったそうです。
● 忘れ物や遅刻が多い
持ち物の管理やスケジュール調整が苦手で、子どものころは叱られることも多かったと語っています。
● 興味のあることには集中しすぎる
「好きな分野には深く没頭できる」一方で、興味のないことにはまったく手がつかないという偏りもあったそうです。
しかし栗原さんは、この特性が表現活動においてプラスに働いたことも実感しています。
自分が得意なこと・好きなことに力を注げたからこそ、表現者としての道を見つけられたのです。
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■モデル・俳優としての活動と自己理解
栗原さんは10代からファッションモデルとして活動し、現在は俳優・コメンテーターとしても活躍中。
ADHDの影響で仕事の現場でも苦労することはあるそうですが、次のような工夫を行っていると語っています。
• 台本を何度も読み返して理解を深める
• 忘れないようにメモを取り、ルーティン化する
• 事前に「困りそうな場面」を想定して備える
また、ADHDの特性があることで「他の人と違う視点から考えることができる」「突拍子もないアイディアが出せる」といった創造性が評価される場面も増えてきたといいます。
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■発達障害を公表することの意義
栗原さんがADHDを公表したことで、多くの人が「発達障害は“隠すべきもの”ではなく、“理解し合うもの”なんだ」と感じるきっかけになりました。
彼のように、公にすることで得られた安心感や周囲のサポートは、同じ特性を持つ人にとって希望になるはずです。
「発達障害があっても、やりたいことはできる」
「無理に“普通”にならなくていい」
というメッセージが、多くの若者の背中を押しています。
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■就労や社会参加に向けて|栗原さんから学べること
栗原さんの歩みから学べることはたくさんあります。
特に、以下の点は就労移行支援を受ける方にとって非常に重要なヒントになります。
• 自分の特性を理解する(=自己理解)
• 得意なこと・苦手なことを整理し、工夫する(=環境調整)
• 周囲に正しく伝える(=自己開示・対話)
• 好きなことにエネルギーを注ぐ(=強み活用)
これらは、就労移行支援事業所「エール」でも大切にしている支援の柱です。
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発達障害があっても働ける社会へ|エールの取り組み
就労移行支援事業所エールでは、発達障害(ADHD・ASDなど)を持つ方が「自分らしい働き方」を見つけられるように、さまざまなトレーニングとサポートを行っています。
▽主な支援内容
• 生活リズムの安定・体調管理のサポート
• 自己理解ワーク・特性の整理
• ビジネスマナー・PCスキルの習得
• 履歴書作成・面接練習
• 企業実習・職場見学の調整
• 就職後の定着支援(フォロー面談)
「発達障害があるから働けない」のではなく、**「自分に合った環境なら働ける」**という視点で支援を進めています。
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■まとめ|ADHDでも、自分らしく生きていい
栗原類さんのように、ADHDを抱えていても、自分らしく生きることは可能です。大切なのは、「隠す」ことではなく、「知る・伝える・工夫する」こと。
発達障害は「個性」であり、「可能性」でもあります。
就労移行支援事業所エールでは、そんな一人ひとりの特性に寄り添いながら、働く未来への一歩を応援しています。
🌱「ADHDがあるからこそ、活かせる強みがある」
私たちはそう信じています。