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2025.09.16

移行支援

ADHDの特性とは?~働くことに不安を感じている方へ~

「集中できない」「忘れ物が多い」「計画通りに動けない」

このような悩みを抱えている方の中には**ADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)**という発達障害が関係している場合があります。

ADHDは、子どもだけでなく大人にも見られる特性です。

 

特に就職活動や職場での仕事において、「自分だけがうまくいかない」「努力しているのに失敗ばかり…」と悩む方は少なくありません。

今回は、ADHDの基本的な特性や、日常生活・仕事で起こりやすい困りごと、そして就労移行支援でできるサポートについてお伝えします。

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ADHDとは?

ADHDは、脳の働き方の特性によって注意の向け方や衝動のコントロールが難しくなる状態を指します。

正式名称は「Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder」で、日本語では「注意欠如・多動症(または障害)」と訳されます。

ADHDには大きく3つのタイプがあります。
1. 不注意優勢型
o 物忘れが多い
o 片づけが苦手
o 課題や作業を最後までやり遂げるのが難しい

2. 多動・衝動型
o 落ち着いて座っていられない
o 思ったことをすぐ口に出してしまう
o 後先を考えずに行動してしまう

3. 混合型
o 上記2つの特性が両方見られるタイプ

成人になると「多動」よりも「不注意」の症状が目立つことが多く、

「なんとなくうまくいかない」「仕事が続かない」という悩みにつながることがあります。


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ADHDによく見られる特性

1. 注意が散漫になりやすい
• 作業中に別のことが気になり、集中が途切れてしまう
• 大切な書類を無くす、提出物を忘れる
• 話を最後まで聞かずに誤解してしまう

2. 計画を立てることが苦手
• 期限までに仕事を終わらせられない
• どの作業から取りかかればよいかわからない
• 段取りを組むのが難しく、効率が悪くなる

3. 衝動的に行動してしまう
• 会議中に思ったことをすぐ発言してしまい、場が気まずくなる
• 買い物で必要以上にお金を使ってしまう
• 急に行動を変えてしまい、周囲が戸惑う

4. 刺激への強い反応
• 音や光、周囲の人の動きが気になって作業に集中できない
• 環境の変化に敏感で疲れやすい

これらは**「努力不足」ではなく、脳の働き方の違いによる特性**です。
そのため、周囲の理解と適切な工夫がとても大切になります。


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仕事や生活で起こりやすい困りごと

ADHDの特性は、就職活動や仕事の場面で次のような困りごとにつながることがあります。

• 提出期限を守れず、上司から叱られる
• 同時進行の仕事で混乱してしまう
• 口頭指示を聞き漏らしてしまう
• 忘れ物やミスが続いて自己嫌悪に陥る
• 周囲に迷惑をかけていると感じ、職場に居づらくなる

このような経験が重なることで、自信を失い、二次障害としてうつや不安障害を併発するケースもあります。

しかし、特性を理解し、環境や働き方を整えることで、無理なく活躍することも可能です。


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ADHDの特性を活かすための工夫

ADHDには課題もありますが、一方で以下のような強みを持つ方も少なくありません。
• 好奇心旺盛で新しいアイデアを生み出せる
• エネルギッシュで行動力がある
• 興味のある分野では高い集中力を発揮できる

こうした強みを活かすためには、「弱みを補う工夫」と「強みを伸ばす環境づくり」がポイントです。

具体的な工夫例
• 忘れ物防止:チェックリストやスマホアプリを活用
• 時間管理:タイマーやアラームで作業時間を可視化
• 口頭指示への対応:メモをとる、指示を復唱する
• 環境調整:静かな場所で作業、ノイズキャンセリングイヤホンを使用


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就労移行支援でできること

「自分なりに工夫してみたけれど、うまくいかない…」
そんな時は、就労移行支援事業所を活用する方法があります。

当事業所では、ADHDの特性を理解したスタッフが、以下のようなサポートを行います。
• あなたの特性を整理し、得意・不得意を一緒に見つける
• 個別トレーニングで仕事に必要なスキルを練習
• 面接や職場実習で、配慮事項を企業と一緒に検討
• 就職後も定期的に面談し、長く働き続けられるようフォロー

「自分らしく働く」という目標に向かって、一歩ずつ進めるよう伴走します。


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まとめ:特性を理解し、働きやすい環境をつくる

ADHDは「欠点」ではなく、脳の特性です。

苦手なことがあっても、工夫と支援によって働きやすい環境を整えることができます。

もし「働きたいけど不安…」と悩んでいる方は、まずは気軽に見学や相談に来てみてください。

あなたに合った働き方を、一緒に見つけていきましょう。

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